2023年8月8日、国際協力機構(JICA)と日越大学の共催により、JICA緒方貞子平和開発研究所の萱島信子シニア・リサーチ・アドバイザー、早稲田大学大学院黒田一雄教授他が、ASEANの大学の発展に教員の海外留学(修士・博士)が及ぼしたインパクトに関する研究成果を発表しました。
本研究発表は、2019年から2022年にかけて行われたASEAN4か国(インドネシア、カンボジア、マレーシア、ベトナム)のトップ大学10大学の教員を対象とした約3,300件にも及ぶアンケート調査や各国でのインタビューの調査結果に基づくもので、ベトナムではベトナム国家大学ハノイ校(VNU)とハノイ工科大学(HUST)が調査の対象となりました。発表では、いずれの国においても、教員が海外の大学へ留学することによって、帰国後の活動(教育・研究・社会貢献・大学運営)にポジティブなインパクトを及ぼしていることが報告されました。萱島氏は「留学の意義は、高等教育の発展に伴い『先進国からの知識や技術移転』から『国際的な学術ネットワーク形成の入口』へと変化している。ASEAN域内での学術交流・人的交流が増加しており、送出し国・受入れ国の両面を有するベトナムの役割が一層重要になると思われる」と指摘しました。