2023年5月29日、日越大学と情報通信研究機構(NICT)は情報通信技術分野での協力に関する覚書の署名式および日本語とベトナム語の自動音声翻訳に関する学術セミナーを実施しました。
会場には日越大学の教員と学生、NICTの専門家、ベトナム国家大学ハノイ校(VNU)、在ベトナム日本大使館、日本貿易振興機構(JETRO)、ベトナム語・音声処理協会、国際協力機構(JICA)の関係者等約50名が参加しました。
続いて開催されたセミナーでは、NICTの徳田英幸理事長よりNICTが研究を推進する新技術とそれによって実現される未来が紹介されました。また、NICTのフェローである隅田栄一郎氏が日本の国家プロジェクトである先進的な自動音声翻訳研究の成果を解説し、多言語データ収集の仕組みとして翻訳バンクやNICTの研究体制を紹介しました。
続いて、ベトナム語・音声処理協会のDr. Nguyen Van Vinhが、ベトナム語と他の言語の自動翻訳について、最新の研究状況を発表しました。また日越大学のBui Huy Kien講師が、「ディープニューラルネットワークの可能性を探る」と題して、歯車の亀裂検出、魚の行動観察、除草ロボットなどの分野におけるニューラルネットワークの実用的な応用の可能性について紹介しました。
質疑応答では音声自動翻訳アプリの入力精度に関する質問や新しく生み出された言葉を自動翻訳ソフトでどう扱うのか、といった自動音声翻訳に関する質問のほか、データの将来的な活用を見据えたメタデータの重要性についての議論がなされました。日越大学は今回の覚書署名とセミナーを契機に、NICTとの協力関係を深めていきます。